文芸 ほか 03 画像をクリックすると拡大表示されます
『八月の梅』
アンジェラ・デーヴィス=ガードナー著 岡田育子訳 彩流社 四六判上製
AD/D
ストーリーを聞いて、日本女性・日本社会に通底する因習を強く感じていた。同時にその一年前に見ていた故高山辰夫画伯が描く女性の姿を思い浮かべていた。高名な日本画家なので許可がおりるかどうか心配だったが、遺族の方達の配慮で完成にいたる。深謝である。
『反・半演劇論+和田周戯曲集7』
和田周編著 A5版並製 コンテライド社
●MEMO 夜の樹は和田周氏が主催する劇団。氏をしたう演劇仲間が集まって「俳優論」「演出論」「観客論」を話し合う対談集。演劇の現在形が見えてくる。
『ケベック詩撰集ー北アメリカのフランス語詩』
彩流社 四六判上製AD/D
●MEMO● カナダのケベック州はフランス系の人が多く住む。フランス人のアイデンティティを守るために書き続けた詩の数々。巨木が立ち並ぶ深い森のすき間から故国との糸をたぐろうとしてるようだ。
『ゴッホ』―最後の3年
バーバラ・ストック作・川野夏実訳 A5判並製 花伝社
●MEMO● 実に見事なグラフィック・ノベル(コミックではなく絵本でもない)。色彩はゴッホの作品から引用し、セリフのないコマは浮世絵を思わせる。
――アムステルダム・ゴッホ美術館監修
新たな視点からゴッホの晩年を描き出す 「星月夜」「ひまわり」「夜のカフェテラス」など傑作の生まれた3年間。 その果てに彼が見出したものとは――?
弟テオとの書簡や絵画を用いて制作され、 オランダで最も読まれているグラフィックノベル。世界20カ国以上で刊行(花伝社HPより)
『宮沢賢治はなぜ教科書に掲載され続けるのか』
構大樹著 四六判並製 大修館書店 AD/D/カバーイラスト
●memo 類書は大抵賢治の顔写真を使う例が多い。差別化を目指して似顔(切り紙)に挑戦した。
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戦前から現代まで、賢治受容の謎を追う
宮沢賢治が国語教科書の定番となった秘密は、一体どこにあったのか? 戦時には戦意高揚を目的に掲載されながら、終戦後には民主主義教育の一環として受容される。さらに現代では教科書だけでなく、漫画やアニメなどの場にも引用されてきている。変遷する時代の要請に応じて姿を変える賢治受容の実態を、生き生きと描き出す。(大修館書店HPより)
『「山月記」はなぜ国民教材となったのか』
佐野幹著 四六判並製 大修館書店 AD/D/カバーイラスト
●memo 内容に大いに共感したとともに考えさせられた一冊。「山月記」は戦後の国語教科書に採用される文学作品の中でもその回数はNo.1。それにはどんな理由があったのか? ミステリーテイストにしました。
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「李徴=人間性欠如説」はいつ、なぜ広まった?
高校教科書の最高掲載回数を誇る中島敦「山月記」が、「国 民教材」の地位を獲得していくまでの秘められたドラマを解き明かしつつ、現在の国語教育が抱える問題を鮮やかにあぶり出す。(大修館書店HPより)
『 精選 現代文』(高校教科書)
A5判並製 大修館書店 AD/D/本文フォーマットデザイン
●memo 表紙写真は杉本博司氏 「歴史の歴史」(金沢20世紀美術館)展示風景。偶然雑誌で見つけた小さな写真だが、美術作品(杉本博史氏作)に魅入られている少女の姿を杉本氏本人が撮影している。この教科書を使う青年達の年頃は未知の世界が大きく目の前に拡がって来る時。様々なことに独自の感性が育つころの様子が良く捉えられていると思う。世界的な写真家だから許可がとれるかどうか不安だった。
『精選 古典』(高校教科書)
A5判並製 大修館書店 AD/D/本文フォーマットデザイン
●memo 写真は吉岡幸雄さんの作品集から(撮影=小林康浩)。吉岡氏は京都の染織家。天平時代の色彩をすべて植物染料で再現している。その色彩は現代の衣料品にはほとんど見られない美しさがある。華やかな色彩で染めた薄物を幾重にも重ねた時に、それは複雑さを増してはさらに奥深いものになる。いにしえ人の自然に対する感性と日本人の「美」の探究にかける意欲に驚かされる。古典を学ぶ若者が目でも楽しめるように願って。
『精選 国語総合』(高校教科書)
A5判並製 大修館書店 AD/D/カバー・扉イラスト・本文フォーマットデザイン
●memo 現代文から古典まで総合的に学べる教科書。切り紙をモチーフにデザイン。現代性と日本的なテイストを織り交ぜることにトライした。
『古典 物語編』 (高校教科書)
A5判並製 大修館書店 AD/D
●memo 表紙のモチーフは「七支刀」(石上神宮蔵 国宝)。七支刀とは4世紀頃、倭に対し百済が朝貢した際に献上されたものとされている。主身に金象嵌の文字が表裏計61字記されていて、当時の中国との関係を記す現存の文字史料の一つであり、好太王碑とともに4世紀の倭に関する貴重な資料である。少しユーモラスに感じてもらえることを心がけた。
『国語教室』
A5判並製 大修館書店 AD
●memo 国語教師向けの小冊子。大修館書店は古くから日本語辞書を作ってきた、いわば日本語文化の守り手。長年の国語(日本語)研究の成果が小さな冊子にもあふれている。一般読者にも面白い内容。
『新人教師のための漢文指導入門講座』
B5判並製 大修館書店 AD/D
●memo 国語教師向けの漢文指導の手引き書。できるだけわかりやすそうな顔つきにするために図版選びに苦心。大陸的でユーモラスなものは少ない。