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『せめて一時間だけでも』

ホロコーストからの生還

 

四六判上製 慶應義塾大学出版会  AD/D/カバーイラスト

 

●memo  ゲラを一気に全文読んだもの。写真かイメージで・・・という注文だったが、思い切ってイラストを描いてみた。とても心が動かされていたので、描き込み過ぎたようだ。せめて一時間早く筆を置くべきだったと反省。

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ベルリンの地下潜伏生活を生きのびたユダヤ人1500人を、機知と誇りを持って助けたドイツ人たちのささやかな勇気。この知られざる「市民の勇気」にスポットをあて、個人の責任の重さを喚起する本書の刊行は、<新生>ドイツの転換点となった。(慶應義塾大学出版会HPより)


『悲しみにあるもの』

 

ジョーン・ディディオン著 四六判上製 慶應義塾大学出版会 AD/D

 

memo 著者は一流作家だが、外連味のない率直な心情の吐露と繊細な内観力に驚く。つらくてもどこかきりりとした、著者の心持ちに少しでも近づくために、柔らかな紙ではなく金属感のある紙を選んで、感傷的にならないように心がけた。

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本書は、一人の女性作家が、夫を亡くした後の一年間と一日を描くノンフィクションである。近しいひと、愛するひとを永遠に失った悲しみと、そこから立ち直ろうとする努力についての心の物語である。。(慶應義塾大学出版会HPより)

『さよなら、私のクィンターナ』

 

ジョーン・ディディオン著 四六判上製 慶應義塾大学出版会 AD/D

 

memo 「悲しみにあるもの」の続編。著者はパートナーを亡くした後、重い病を持つ娘を亡くしてしまう。クインターナの表情に釘付けになる写真。書名をどこに置いてもだめなような気になる。きっちり決別できる場所を意識した。

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思い出は慰めにはならない。
現代のアメリカを代表する作家、ジョーン・ディディオンによる、6年ぶりの書き下ろ し作品。前著 『悲しみにある者』 では、夫、ジョン・グレゴリー・ダンの死が焦点となったが、今作では、娘、クィンターナの死をメインテーマとしている。ディディオンは、子を持つこと、子を失うこと、親であること、病、老い、そして、死、それらす べてに対する彼女自身の恐れについて、深い洞察を展開する。(慶應義塾大学出版会HPより)


『プライベートライフ(私人生活)』

 

陳染著 四六判上製 慶應義塾大学出版会 AD/D

 

memo ポジフィルムがカメラに装填されるときに不意に入る僅かな光が、えもいわれぬ不思議な模様を作り出す。端ポジ(ハジポジ)コレクションの中から一番好きなものを使ってみた。

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孤独でいることは、一種の能力なのだ。
現代中国に生まれた鋭敏で聡明な女性が「女」になっていくことを通して、苛烈に変転する国、家族、性、そして「男」を描き、中国の新たなアイデンティティを示す長編小説。(慶應義塾大学出版会HPより)


『時の海、人の大地』

太古の記憶を求めて地球をめぐる旅

 

石川梵著 A5判上製 魁星出版 AD/D/本文フォーマット

 

memo 23年間にわたって世界の辺境に生きる人々を取材してきた石川 梵さんは、その徹底した取材ぶりで幾度も命の危機にさらされた。写真とともに氏の生き様の凄みが詰まったエッセイ集。カバーに写真を一枚という打ち合わせだったが、「これは安心快適な読書の旅ではないよ」という姿にしたかったので、カバーは書名のみ墨一色で潔く、と編集者に納得していただいた。

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鯨と生きる—インドネシア レンバタ島/死ぬために生きる人々—インドネシア スラウェシ島/原始世界を求めて—ニューギニア島 イリアンジャヤ/南海の騎馬民族—インドネシア スンバ島/神々への舞—バリ島/パダウン族の首輪—タイ バンマイ村/砂漠の民—インド プシュカル/・・・・(中略)・・・岩窟教会—エチオピア ラリベラ/幻の裸族—エチオピア スルマ/神々と交わる一瞬—ハイチ/氷河と祈り—ペルー アウサンガテ/終わりなき旅—インド
(目次より)


『あの夏、少年はいた』

 

岩佐寿弥・川口汐子著 四六判上製 れんが書房新社 AD/D/カバーphoto

 

memo 60年の歳月を経て再会した、恩師(80才女性)と作家(70才男性)の往復書簡集。戦争が激化したころ少年は奈良にいた。代用教員でやってきた川口汐子先生は少年が密かにあこがれていた人。少年は大人になり歳をとり、忘れていたその名前をある日テレビで目にした。手紙を書いてみた。そこから出会いの時と今が、戦後60年という時空をねじ曲げて、メビウスの輪のようにつながってしまった。一年間のこころのこもった手紙の往復は、出会いの記憶と現在が往還し、二人の人生の変遷に新しい解釈と光をあてることになった。

 


『鈴木比佐雄詩選集』コールサック詞文庫01

 

四六判上製 コールサック社 AD/D

 

memo 詩集中心の出版社、コールサック社の主催者、鈴木比佐雄氏の言葉は飾り気がなく率直だが、つららをきらめかせる柔らな光を思わせて、どこか宇宙的な大きさを感じさせる。社名の「コールサック」は「石炭袋」のこと。宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』にも出てくることがわかって納得した。

*カバーデザインは素粒子の振る舞いを表す図から

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コールサック社は、宇宙の「石炭袋」のようでありながら、私たちの内面に存在する「いのちの袋」のような「ほんたうのさいはひ」(本当の幸せ)の領域を 「COAL SACK」(石炭袋)に入れて、これから関わってくれる多くの人たちと共に、新しい時代を共に考えていきたいと願っています。(コールサック社ホームページより)


『大出晃 そして 大江晃』

 

四六判上製 慶應義塾大学出版会 AD/D

 

memo 哲学者として大出晃と教員としての大江晃。氏を偲ぶ教え子などがオマージュとして作った本。カバー図版は氏がコレクションしていた駒井哲朗の銅版画。その雰囲気を出すために、図版の上から空押しをした。


『新編 虎が雨』

 

四六変形判上製/箱入り愛蔵版 慶應義塾大学出版会 AD/D/カバーイラスト

 

 memo 著者の高橋誠一郎は経済学の重鎮であり第一次吉田内閣文部大臣を歴任したが、一方では古典芸能に精通し日本舞踊協会会長、国立劇場会長を務めるなど芸術にも造形が深い。明治・大正・昭和を通して過ごした大磯での随筆集。表題の「虎が雨」が素晴らしい。

大磯といっても著者の住まいは森深い山の中。六月の雨は文章からも、静かでしっとりした印象がある。大正時代の表具の見本帳から得た絵柄にさらにドリッピングで雨を降らせてみた。


『前餓鬼 後が鬼』

 

A5判上製 慶應義塾大学出版会 AD/D

 

●memo 慶應義塾大学名誉教授という筋金入りの心理学者が、自分の著書や論文の前書き(前餓鬼)と後書き(後が鬼)だけを集めた。著者は「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞「イグノーベル賞」受賞者。ユニークな動物実験でも有名。オモテに餓鬼、ウラに鬼を配するユニークなアイデアに面白く仕事ができた。


『シモーヌ・ヴェイユの詩学』

 

四六判上製 慶應義塾大学出版会 AD/D

 

 ●memo 当時評判だったヴィルヘルム・ハンマースホイという画家の作品が使えることになって「もう何もいらないや」と本当に何もしないデザイン。

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「労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である」(シモーヌ・ヴェイユ)

愛する希望の発光体ー港千尋(帯より)


『この星の守り手たち』

 

四六判上製 ナチュラル・スピリット AD/D/カバーPhoto

 

●memo 不思議な光の現象を見つけるといつもカメラを向ける。物撮りの時に、半透明のサベージに外からの光が漏れて不思議な模様を作っていた。偶然がつくるお宝写真を使えた。

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前世療法を通して明らかになった驚くべきスターピープルの真実‼(ナチュラルスピリット社HPより)