『近代日本の科学論』
明治維新から敗戦まで
岡本拓司 著 A5判上製 名古屋大学出版会
AD/D カバー作品=柴川敏之
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科学の営みや社会との関係をめぐる言説は、維新から対米戦までの歴史の流れに呼応し、劇的に変転した。本書は、文明開化、教養主義の時代を経て、科学を標榜し革命を起こしたマルクス主義の衝撃と、それを契機に誕生した日本主義的科学論をふくむ多様な議論の展開を、初めて一望する。
(名古屋大学出版会HPより)
『自己犠牲とは何か』哲学的考察
田村均 著 A5判上製 名古屋大学出版会
AD/D カバー彫刻作品=小島敏男
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日常の「自分を殺す」行いから極限状況まで、広く見られる自己犠牲 ——。なぜそれは可能で、どのようにして生み出されるのか。日本人戦犯裁判の事例を糸口に、西洋近代哲学では問えなかった問いを、人類学や心理学の知見をも参照しつつ根底から考察し、私たち自身の現実を初めて哲学的に解明した労作。
(名古屋大学出版会HPより)
『信頼の政治理論』
西山真司 著 A5判上製 名古屋大学出版会
AD/D カバー作品=若宮綾子
市民社会と国家を媒介する概念と見なされる「信頼」—— 良好な政治のミクロな指標として注目を集める一方、従来の信頼論が前提とする認識論やアプローチは深刻な問題を抱えている。ソーシャル・キャピタル論へ至る学説を乗り越えた先に、革新的な政治理論を導き出す気鋭の力作。
(名古屋大学出版会HPより)
『美学イデオロギー』
商業社会における想像力
大河内 昌 著
A5判上製 名古屋大学出版会
AD/D カバー作品=吉田重信
個々人が自らの情念にしたがって利益を追求する社会は調和しうるのか —— この政治経済学の問いは、あからさまに美学的であり、しかも近代英国の道徳哲学からロマン主義文学までを貫く根本問題だった。テクストの精読により、イデオロギーの構造と展開を批判的に跡づけ、思想史と文学研究を編みなおす画期的労作。(名古屋大学出版会HPより)
●MEMO 吉田重信氏の作品をお借りした。展示の時の作品が壁に映る影も含めて使わせて頂く。作品を見るという行為(立ち位置)を自覚させてくれる。
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大国が後退するとき ——。平和を維持する仕組みはいかに構想され、なぜ脆弱化したのか? 国際連盟を含む複数の安全保障観やヨーロッパ派と帝国派のせめぎ合い等のなか、西欧への関与の揺らぐイギリスの外交姿勢と諸国との交渉過程を、膨大な史料から精緻に描き出し、現在への示唆に富む気鋭による力作。
(名古屋大学出版会HPより)
『近代世界の誕生』上下
グローバルな連関と比較1780-1914
C. A. ベイリ 著 平田雅博・吉田正広・細川道久 訳
A5判上製 名古屋大学出版会
D
一国史や地域史を超えて、グローバルな相互連関から「近代世界」の成り立ちを解明。革命の時代から第一次世界大戦にいたる「長い19世紀」を中心に、西洋近代化とは異なる視点で世界史を問い直し、政治・経済から人々の衣食住まで、新しい全体史を描ききるグローバル・ヒストリーの代表作。
(名古屋大学出版会HPより)
『第一次世界大戦への道』
破局は避けられなかったのか
ウィリアム・マリガン 著 赤木 完爾 訳 今野 茂充 訳
四六判上製 慶應義塾大学出版会 D
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大国間の平和はなぜ失われたのか。
普仏戦争(1870~71年)以降、多くの深刻な国際危機が生じたにもかかわらず、ヨーロッパでは40年にわたって大国間の平和が維持された。なぜ、1914年7月の危機を引き金に「史上初の総力戦」とも呼ばれる全面戦争へと発展してしまったのか。七月危機と、一連のモロッコ危機やバルカン戦争といったそれ以前の国際危機には、どのような違いがあったのか。大国間の全面戦争を望んでいなかったにもかかわらず、なぜ主要国の政治指導者は大戦争のリスクを冒したのか。(慶應義塾大学出版会HPより)
『ナチズムは再来するのか?』
民主主義をめぐるヴァイマル共和国の教訓
アンドレアス・ヴィルシング/ベルトルト・コーラー/ウルリヒ・ヴィルヘルム 編
板橋 拓己/小野寺 拓也 監訳 A5判並製 慶應義塾大学出版会
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民主主義は危機にあるのか?
当時、世界で最も民主主義的な憲法をもちながらも、わずか14年でナチスに破壊されてしまったヴァイマル共和国。当時の政治社会状況と現在の状況との、共通点とはなにか。ー現代社会を覆うポピュリズムに、ドイツを代表する研究者たちが歴史の経験から警鐘を鳴らす。ヴァイマル建国100年を記念して、ラジオ・新聞でメディアミックス的に展開されたエッセイを一冊にまとめた、注目の書(慶應義塾大学出版会HPより)
『証言記録 市民たちの戦争』3巻「帝国日本の崩壊」
四六判上製 大月書店 AD/D
●memo
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銃後の体験を記録し、多くの反響を呼んだNHKのシリーズ「市民たちの戦争」。貴重な証言の数々を未放送の部分も含めて書籍化。(大月書店HPより)
『大正デモクラットの精神史 』
東アジアにおける「知識人」の誕生
武藤 秀太郎 著 A5判上製 慶應義塾大学出版会 D
●memo
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1910年代後半、東アジアにおいて「知識人」という社会集団が輪郭をあらわすようになる。本書では吉野作造を中心とする学術団体「黎明会」の面々や、河上肇、朝河貫一ら大正デモクラットが、ナショナリズムに目覚めはじめた中国知識人たちとどのような思想的交流を展開したのか、そして小泉信三、高橋誠一郎といった「オールド・リベラリスト」たちが、どのような「理想」をもって戦後改革に参与したのかを生き生きと描き出す。(慶應義塾大学出版会HPより)
『戦前日本のユニバーサルバンク 』
財閥系銀行と金融市場
粕谷 誠 著 A5判上製 名古屋大学出版会 AD/D
●memo
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証券市場が高度に発達した戦前日本において、三井、三菱、住友など財閥系銀行はいかにしてその隔絶した地位を築きえたのか。見過ごされてきた証券・国際業務を軸に、近世来の両替商がユニバーサルバンクへと発展する姿を鮮やかに示し、巨大銀行と金融市場の関係に新たな光を投げかける。(名古屋大学出版会HPより)
『国際的視野からみる近代日本の女性史 』
政治経済・労働・セクシュアリティ
富田 裕子・ゴードン・ダニエルズ 編 横山 千晶 監訳
A5判上製 慶應義塾大学出版会 D
女性史研究の新たな地平を切り拓く
英米日豪で長年にわたり
日本の女性史、近代史研究にかかわってきた
第一線の研究者による論考を集成。
女性史研究の新しい方法論を明らかにする。(慶應義塾大学出版会HPより)
『海のロシア史』
ユーラシア帝国の海運と世界経済
左近幸村 著 A5判上製 慶應義塾大学出版会 D
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第一次グローバリゼーションのもと、東アジアの海とヨーロッパの海を結んだ長距離航路と、義勇艦隊が果たした役割とは。政治と経済が混然一体となった海洋戦略により、極東を含む帝国の辺境を統合、国際的経済闘争への参入を試みる姿を捉え、ロシア史をグローバルヒストリーに位置づける。
(名古屋大学出版会HPより)
『ロシアの対日政策』
(上)帝政ロシアからソ連崩壊まで
(下)新生ロシアからプーチンまで
斎藤 元秀 著 A5判上製 慶應義塾大学出版会 D
上巻===▼第二次世界大戦後、米国と激しく覇権を競った超大国ソ連。
上巻では、豊富な資料を渉猟し、帝政ロシアからソ連最後のゴルバチョフ政権までの対日政策とその戦略を読み解く。
▼北方領土問題を考えるうえで不可欠な「ヤルタ協定」「ソ連対日参戦」「日ソ共同宣言」「新思考」外交などを取り上げ、帝政ロシアやスターリンの対日政策の成果とソ連歴代政権の対日政策を多角的に再検証し、その核心に迫る。
下巻==ロシアの対米・対中政策を睨みつつ、新生ロシア誕生からプーチン政権までの対日政策を検討する。
大国ロシアの領土、安全保障、シベリア・ロシア極東開発政策を貫くものを探るとともに今後の展望を考察し、対日政策決定過程の解明も試みる。
(慶應義塾大学出版会HPより)
『政治の危機とアーレント』
『人間の条件』と全体主義の時代
佐藤和男 著 四六判上製 大月書店 AD/D
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雇用の不安定化と「無用感」、私的領域=プライヴァシーの消失、「無思考」という安楽――全体主義を生み出す近代の根本問題と格闘したアーレントの 『人間の条件』を、かつてない切実さで読み解いた著者の集大成。
(大津書店HPより)
『フィクションとは何か』
ごっこ遊びと芸術
ケンダル・ウウォルトン著 A5判上製 名古屋大学出版会 AD/D
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ホラー映画を観れば恐怖を覚え、小説を読めば主人公に共感する —— しかし、そもそも私たちはなぜ虚構にすぎないものに感情を動かされるのか。絵画、文学、演劇、映画などの芸術作品から日常生活まで、虚構世界が私たちを魅 了し、想像や行動を促す原理をトータルに解明するフィクション論の金字塔、待望の邦訳。
(名古屋大学出版会HPより)
『原典 中世ヨーロッパ東方記』
高田英樹 編訳 名古屋大学出版会 A5判変形上製
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モンゴル帝国の侵攻はヨーロッパを震撼させ、その世界像に転換を迫った。当時、東方に派遣された修道士や商人たちは何を見、どのように記録したのか。ルブルクやマルコ・ポーロ、ハイトンらの旅行記から、書簡、教会壁画、世界地図まで全15編を原典から翻訳集成し、ヨーロッパによるアジア認識の展開をたどる。
(名古屋大学出版会HPより)
『名誉としての議席』
近世イングランドの議会と統治構造
中丸英起著 A5判上製 慶應義塾大学出版会 AD/D
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エリザベスI世の時代、議会とはいかなるものであったのか
▼16世紀エリザベス治世期における議会の儀礼的側面、議事手続の実態、議員と選挙区の関係を、一次資料から追究。国王の表象戦略や、パトロネジ・ネットワークの分析から、新たに勃興した有力階層=ジェントリと中央政府との関わりを捉え、「名誉としての議席」の争奪が国制に組み込まれた、テューダー朝期独自の統治構造を明らかにする実証的研究。
『入門講義 キリスト教と政治』
田上雅徳著 A5判並製 慶應義塾大学出版会 AD/D
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▼権力との関係から見えてくる〈キリスト教精神史〉。
▼古代から中世、宗教改革の時代をへて現代へ。
キリスト教は、どのように世俗の権力(国家)から影響を受け、どのように影響を与えてきたのか?
「共同性」「終末意識」などをキーワードに語りおろした、キリスト教思想史の入門書。(HPより)
『カントの批判的法哲学』
松本 和彦 著 慶應義塾大学出版会 A5判上形上製
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カントの法哲学は「批判的」か。
カントの最晩年の著作である『法論』、すなわち『法論の形而上学的基礎論』は、従来カント哲学研究によって『純粋理性批判』や『実践理性批判』において樹立された超越論的哲学ないし批判哲学とは矛盾するもの、またカントの老衰の作であると否定的に評価されていた。しかし、果してそれは真に正しい評価なのか?
最新のドイツ・カント哲学研究を精査し無窮の問いに挑む。カントの『法論』、法哲学の現代的意義を解明する大作が遂に刊行。(慶應義塾大学出版会HPより)
『いま死刑制度を考える』
田上雅徳著 A5判並製 慶應義塾大学出版会 AD/D
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▼権力との関係から見えてくる〈キリスト教精神史〉。
▼古代から中世、宗教改革の時代をへて現代へ。
キリスト教は、どのように世俗の権力(国家)から影響を受け、どのように影響を与えてきたのか?
「共同性」「終末意識」などをキーワードに語りおろした、キリスト教思想史の入門書。(HPより)